【人材採用編】採用時の適性検査にコンピテンシーからの判断を盛り込むべき理由とは。
昨今の一般的な適性検査で測る領域は「能力面」と「性格面」
SPIに代表される適性検査・適性診断と言われる診断方法。
これらは新卒採用から中途採用まで、多くの採用試験と共に定着してきました。
これらの一般的な適性検査についてはこちらの記事でご紹介しておりますが、ざっくりと言うならばその特徴、診断する項目は2つ。
1.「能力面」・・・国語や数学といった基礎学力、社会通念上の一般常識を測るもの
2.「性格面」・・・主体性があるか?協調性があるか?など個人の人間性を測るもの
となります。
コンピテンシーの領域をあらわす氷山モデル
今回は、この2つの項目で測りきれない領域についてをここに記します。
コンピテンシーの概念でよく使われる「氷山モデル」という図があります。
◎水面上に現れている部分
スキルや知能といった情報は、他者から見てもすぐに分かるものです。いわゆる「学歴」といった要素が一例としてここに含まれます。誰もが自己の努力によりある程度の習得が可能な要素です。
→一般的な適性診断の「能力面」で計測している部分です。
◎水面下の見えない部分
性格・生まれ持っての才能や価値観などは幼少期からの環境などの影響も大きく、他者から見てもすぐに分かるものではなく、後天的に自身の努力によって変えることは難しい要素になります。
→一般的な適性診断の「性格面」で計測している部分です。
◎水面付近の部分
この部分がコンピテンシーが占める範囲になります。
スキルや知能ほど直接的には見えませんが、能力測定をすることができます。
後天的な自己の努力により、学校卒業後・成人後・職に就いた後などでも変えていくことができる要素になります。これは就職後に企業組織内においても、能力開発が可能ということを示しています。
これらの一般的な適性検査で診断する2つの要素だけではなく、もう1つ異なった目線での適性検査の必要性を私どもは考えています。
それがコンピテンシー領域での適性検査です。
コンピテンシーからの適性検査がもたらす価値とは
コンピテンシーは、一般的な適性性検査に用いられることの多い学力測定や性格判断とは異なる性質を持っています。
最大の特徴は、「行動」を基軸とした考え方という部分です。
採用時における適性検査では、対象者の今までの努力の積み重ねという部分として学力・スキル面の「能力面」が1つの判断指標になります。
また、性格面や才能、価値観といった面も同様に、対象者の人的パーソナリティー面での判断指標として「性格面」も大切なことは確かです。
この2点は言い換えれば、対象者の「過去」に対してを判断材料とする形になります。
コンピテンシー型適性診断のVANTAGEは、「○○といった時に自分はどういった行動を取るか?」から診断を行います
その行動傾向を分析することで、ビジネスに必要とされるコミュニケーション能力や課題解決能力を数値化します。
言ってみれば、対象者の現状も適性検査の診断結果として出力されますし、何より大きい要素としては、このことが挙げられます。
対象者の「未来」に対しても判断材料にする適性検査
◎この人物は○○といった状況では、どのような判断をしてどういった行動を取ってきたのか。
◎この先の未来では、どのような行動を取っていく適性を備えた人物なのか。
これらを採用時の適性検査に盛り込んでいくことが、今までとは違った視点での採用活動・企業成長につながるのではないでしょうか。
昨今求められるビジネスマンの資質として、「次世代のリーダーとしての資質」が問われています。
「学生時代は部活動の部長を務めていました。」
「アルバイトではリーダーのポジションで積極的に指示を出していました。」
面接時にこういった話はよくあるものかとは思います。
しかし、企業によって求められるリーダーの資質というものも異なってきます。
行動で診断する「コンピテンシー型適性診断」で、自社にあった「次世代のリーダー」を探してみるといった1つの可能性もあるかもしれません。