【人材育成編】一流の上司の話し方。
「人は話し方が9割」を深掘りしてみましょう。
ここ数年、「〇〇〇が9割」シリーズの書籍がたくさん出版されていますね。
話し方が9割、聞き方が9割、伝え方が9割、はたまた、心配事の9割は起こらない・・・・etc.
今回はそんな中で、「話す力」について深堀りしてお話できればと思います。
前回のブログでは、「聞く力」と「話す力」について解説をしました。
今回はその続きになります。
こんなシチュエーション、あなたならどう答えますか?
部下から「今度、新しい◯◯味のチョコレートが出たんですけど知っていますか?」
と聞かれたとしましょう。
【回答①】
その○◯味のチョコレートは、テレビでも広く取り上げられていて、あなた自身も既に買って食べていたとしたら…。
「食べたことあるよ。美味しいチョコレートだよね」
→これは二流の上司の対応です。
【回答②】
「そのチョコレート今流行っているよね。今朝、テレビでやっていたよ」
→これは三流の最悪の対応です。
【回答③】
一流の上司の対応は
「えっ。知らなかったな。どんな味のチョコレートなの?」です。
部下がそのチョコレートの話題をあなたになぜしてきたのか?を考えてください。
おそらく新しい情報をいち早く上司のあなたに教えて「ありがとう」と言ってもらいたかったり、相手よりたくさんの情報を知っていることに感心してもらいたかったりと、何らかの理由があります。
しかし、そうした気持ちで話してきた部下に上司が「そんなこと知っているよ」「それって今朝テレビで言っていたことだよね」と言ってしまったら、せっかく話してくれた部下はどんな気持ちになるでしょうか。
一流の上司の条件はいろいろあると思いますが、その一つに部下からの信頼が厚いというものがあります。
部下からの信頼が厚い方は、コミュニケーション能力の「聞く力」が高い方です。そして同時に「話す力」も高い方です。
「情報収集能力」の能力の高さも重要です。
一流の上司は、新作のチョコレートが発売されたという情報をWebなどのメディアから先ずは取り入れます。
それは今日、社内や営業先の会話の中でその話題が出る可能性が高いからです。
・どんな味なのか?
・どんな色合いなのか?
・どんなショコラティエが監修したものなのか?
といったことを調べます。
一流の上司のトークスクリプトとは?
重要なことは、情報収集のその先の対応です。
相手からそのチョコレートの話題が出た時、相手を主役にさせる会話ができるかということです。
相手「今度、新しい◯◯味のチョコレートが出たんですけど知っていますか?」
自分「そうなんですか。どんなチョコレートなんですか?」
相手「クランベリーを使ったちょっと酸味のあるチョコレートみたいです」
自分「そうなんですか。女性に人気がありそうですね」
相手「そうなんですよ。百貨店で女性客の行列ができているそうですよ」
自分「有名な方が作られたんでしょうねぇ」
相手「そうです。ピエールなんとかっていう有名な方です」
自分「もしかしてピエール・マルコリーニさんじゃないですか。もしそうだったらスゴいですよ」
相手「まさしくその方です」
自分「いい話を有難うございます。今日の営業の時にさっそく話してみようかな」
おそらくこの会話の相手の方は、数日後に再びあなたに話を聞いてもらいたくて仕方がなくなります。
なぜなら自分の話が誰かの役に立ち、喜んでもらえることを知っているからです。
だからと言って上司が本当に何も知らないのでは、会話はここまで盛り上がりません。
相手に気持ちよく話させる「呼び水」のような投げかけは、その情報を知っているからこそできるテクニックだからです。
これは相手に気持ちよく話をさせるためのテクニックの一例ですが、コミュニケーション能力の高い人は、自分が主役ではなく、相手を主役にさせてうまく話を引き出し、気持ちのいい会話ができる方です。
知っているけれど知らないフリをして、相手の本心を引き出す話法は、社内においてのカウンセリングやモチベーションアップにも重要な役割を果たします。
「聞く力」とそして「話す力」
両方を強化することが、より良い上司と部下のコミュニケーションに繋がっていくコツと云えるのではないでしょうか。